政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


東京大学大学院情報学環 教授 坂村健氏

東京大学大学院情報学環 教授 坂村健氏

私は1980年代から30年間、組込みコンピュータのOSであるトロンに関わってきた。従来はインディペンデントに組み込まれていたものが、インターネットの普及のおかげでモノの中に通信機能をもたせ、全てネットにつながる世界が現実的になってきたことでIoT注目されるようになってきた。
我々のトロンのエコシステムは全世界で使われるようになってきて実現している。イノベーションを起こすと同時に、重要なことは環境整備をし、誰もがアクセスできるようにすることだ。我々は当初からオープン・ソース・プロジェクトということで行っている。
ネットの中に、トロンのソースコードと全技術情報が入っており、誰でも取っていけるスタンダードのインフラを作っている。
アジア地区ではモンゴルを除き、全アジアからアクセスされてきている。最近はアフリカでも組込みトロンのソースコードをロードしていく人たちが増えてきている。先進国のスマホではトロンは通信制御のチップに入り込んできている。
ITU150周年記念を祝して、世界で情報通信社会に貢献した人として私も選ばれ、インターネット創設者や世界初の携帯電話製作者らと共に金メダルを頂いた。
その理由がトロンを世界に広げたことと、ゼロックスよりもMITよりも早くIoTを提唱したこと。「1987年に全てのコンピュータが最終的にネットワークでつながるだろうというコンセプトを出した」のが坂村だというわけだ。
IoTを最初に唱えた方はマーケティングの人で、技術的に言ったわけではない。ユビキタス・コンピューティングも同じことを言っている。今回のテーマは閉じたIoTからオープンなIoTということだ。
要点は、オープン・アーキテクチャー、オープン・ソースが主流になりつつあり、中身はブラックボックス化してきている。そのため、中身につなぐアプリケーション・プログラム・インターフェースを公開しろという意見が多くなってきている。オープンEAIも注目されてきている。いろいろなモノがオープンになってきている時代なのだ。
最近、話題なのがインダストリアル4・0.私はドイツの方と一緒に共同研究をしているが、日本人がたくさんドイツに来て尋ねてくるそうだ。ドイツにはまだ全く実態がないのに・・・。
彼らが偉いのは、ビジョンとか哲学とかをまず話し合って、インダストリアル4・0を話し始めているのだ。これは簡単にいうと、オープンにするルールを作るために話し合いを始め、考え方などを皆で認識していこうという点が日本と違うところだ。

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