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8兆円市場争奪へ、新電力に286社殺到

4月1日より、家庭でも電気を買う会社を自由に選べる「電力小売自由化」がスタートした。参入のため新規小売電気事業者(新電力)に登録した企業数は15日現在、170社となった。
これまで大手電力会社が独占していた家庭や小さな商店などは全国で約8500万件。市場としては年間8兆円の規模がある。電力自由化は2000年より始まっており、工場や大規模施設向けは既に自由化が行われていた。今回は家庭用の市場にさまざまなサービス会社が登場してくるため、米国に比べ高い(2倍)と言われる家庭用電気料金が下がるのではないかと、期待されている。
今回参入してくる新電力事業者は大きく分けて4つある。1つは、東京ガスや大阪ガスなどのLP・都市ガス系、2つ目がJXエネルギーや昭和シェル石油などの石油系、3つめがKDDIやソフトバンクなど通信系、HISやJ:COM、ローソンなどの他のサービス産業系などさまざまな事業者がユニークな料金体系を引っさげて参入してきている。
切り替える側の消費者の9割は東京電力、関西電力管内に集中している。8日現在、新電力に切り替えた家庭は約62万件。東京ガスはその中でも最多の26万件の契約を獲得している。「16年度の40万件、20年度には100万件の契約を獲得し、新電力のトップをめざす」(東京ガス・広瀬道明社長)という。
また、関西では大阪ガスが10万7000件の契約を獲得している。ガス会社が新電力に力を入れるのは、2017年からはガスの小売全面自由化がスタートし、自らの顧客が戦場となるためでもある。
いずれにしても、電力やガス会社によるエネルギーの地域独占という壁が壊れたわけで、新電力会社にとっては顧客満足度の向上、料金引き下げ競争などを展開して既存の会社との競争による切磋琢磨が起きる。消費者にとっては電気の使用実態がスマートメーターにより「見える化」し、エネルギー節約の選択肢が大きく増え、ライフスタイルに合わせたエネルギーの使い方に大きな変化がでてくる。このため、国のエネルギー政策にも大きな影響力をもたらし、大量発電・大量輸送という発電スタイルにも変化が及ぶと思われる。

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