政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


2017年度(平成29年度)の概算要求がまとまり、総額で101兆円と3年連続で100兆円の大台を超え、積極財政路線の流れが強まってきた。

経済産業省の概算要求額は一般会計が対前年比13・3%増の3819億円、エネルギー特別会計が同9%増の9140億円、特許特別会計が同3・6%増の1498億円の合計同9・5%増の1兆4457億円となった。

世界経済は英国のEU離脱等新たな保護主義の台頭、サイバー空間でのリスクの増大など不透明リスクが高まってきている。その中で、アベノミクスは道半ば。大胆な金融・経済政策を実施しつつ、デフレからの脱出速度を最大にして経済を成長軌道に乗せるためには「企業投資拡大」と、消費を喚起する「賃上げ」を必要としている。

これらを受けて29年度の経済産業政策の重点は4つ。1つは「第4次産業革命」等を起点とする未来投資と世界の知の活用。2つめは中小企業等による内外需要開拓と地域未来投資~地方から世界へ~。この2つには民間の未来投資を喚起し、呼び水となる政策を動員する。3つめは世界経済不透明リスクの克服。4つめは産業安全保障の抜本的強化。

そして、福島復興の加速/熊本の復旧・復興、エネルギー政策の再構築と地球環境への貢献の2つはすべてを支える基盤政策として充実させている。

第4次産業革命では、「官民戦略プロジェクト10」の率先実施に取り組む。世界をリードする重点分野(自動走行、ロボット・ドローン、ものづくり、産業保安、エネルギー分野)でのプラットフォームの獲得を第1に、オープンイノベーションハブ拠点の整備、ヘルスケア関連技術の実用化支援、日本版高度外国人材グリーンカードなど世界トップ人材・企業の呼び込み強化、コーポレートガバナンス強化と働き方改革に取り組む。

2つめは中小企業による内外需要開拓として、中小企業の経営力強化と地域中小企業の稼ぐ力の強化、TPPにより、輸出1兆円実現をめざした農商工連携・輸出力強化、外国人観光客6千万人時代実現へ、世界レベルの観光産業確立などを上げている。3つめの世界経済の不透明リスク克服へ、TPPやASEANとの経済連携の加速、インフラ輸出の強化に取り組む。

4つめは産業安全保障の抜本強化として、サイバーセキュリティの強化を掲げ、特に重要インフラにおけるサイバーセキュリティ対策に早急に取り組む、としている。

今回の概算要求に関して、識者は「総額も増え、産業を活性化させる意図で幅広く、総花的に対策が盛り込まれている。しかし、世の中の変化のスピードは早く、これらの対策も時々刻々と変化しているため、変化にも対応し、実行スピードを早めていかなくてはならない。合わせて、実行体制のスピードアップ化も見直すべきだ」と述べた。

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