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この時期の海外論調は、10月上旬に日本政府が決定した、過労死防止法に基づいて過労死の実態や防止への取り組み状況を記した初の「過労死白書」において、日本企業における長時間労働の実態が明らかになり、また、24歳の広告代理店女性社員の過労死自殺を取り上げたことを契機に、再び日本「過労死」が再び注目を集める結果となった。

10月19日付ロイターは、実態が明らかになった過労死によって、日本で働き方改革がいかに必要かを示しているが、「日本の働く人たちが燃え尽きてときには亡くなっているのは無意味であり、悲劇である」と同情的な見方を示している。

また、同日付けフィナンシャルタイムズは、10月に日本政府が初めて発表した過労死白書において、調査対象の企業のうち25%で1か月あたり80時間、12%の企業で100 時間の残業がそれぞれ確認されたこと自体は問題を過小評価させることに過ぎず、「その他の多くの残業時間を記録している企業が調査対象から外されている可能性がある」と調査の信憑性に疑問を投げかけている。

また、近年では、残業手当は引き上げられているものの未だ不十分であり、安倍首相や小池東京都知事もワークライフバランスの改善を目指すが、日本では結果よりも仕事への忠誠心を評価する現状では劇的な改善は難しく、このような残業は日本経済にはほとんど貢献しないだろうと悲観的な見通しを示した。

さらに、日本は本来、非効率的な雇用環境とテクノロジーをあまり活用しないため、日本はOECD諸国の中でもっとも生産性の低い国の一つとなっていることにも裏打ちされているとしている。?

このように日本企業では未だに従業員に期待される非常識な長時間労働、そして従業員がほぼ確実にその期待に応えることに頼っており、想像力がなく社員の死をコストとしてみておらず、解決策に本気で取り組んでいないのではないかと疑念を深めている。

特に安倍氏にとっては、「過剰労働に国民の関心が集まりすぎるとアベノミクスが大幅な賃金上昇をもたらしてもいなければ命を脅かすような仕事への大きな見返りを実現してもいない」という事実が浮き彫りになりアベノミクスの効果そのものが問われる可能性もあるため、日本政府として今後どのような取り組みを進めるのか注視する姿勢を見せている。

 

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