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世界から期待され、世界をリードするJIPA
日本知的財産協会上野剛史理事長に聞く

民間の知財関連企業1200社がまとまって活動している世界でもユニークな存在であるJIPA(日本知的財産協会)。新理事長に就任した上野氏に今年度の活動の要点を聞いた。
――今年の取り組みについて
 「世界から期待され、世界をリードするJIPA」というスローガンは引き続き堅持していきたい。企業の活動がグローバル化してきており、これまで同様、世界への意見の提言・交換、情報発信などを積極的にやっていくつもりだ。
 重点を置く点は、1つめはグローバル活動で、これまでも取り組んできた制度調和について積極的な活動を展開するとともに、新興国問題では専門委員会を1つ増やす。これまでアジアを検討してきた委員会を東アジアと東南アジア・インドに分けて活動していく。制度の成熟度や経済規模・環境に差があるので、よりきめ細かく取り組んでいくつもりだ。
 2つめは、これまで海外へ代表団・調査団の派遣など人的面での交流に力を入れてきたが、今後は英語による発信も強化していく。メルマガやWebサイト、研究成果なども英語で発信していき、JIPA活動のグローバル化をさらに支援していきたい。
 3つめは、今年は一般社団法人化に向けて準備していく。実際には2014年度から実施する予定だ。今までは任意団体であったが、より責任ある行動に基づく発信をする団体に移行していくことに力を入れていくつもりだ。
――わが国は、最近PCT(国際特許出願)が増えてきているが、世界では知財訴訟が急増している。中国では年間7千件、米国でも4千件、日本は260件と、知財訴訟になると心許ないのでは?
 あまりデータが紹介されることも多くないが、実はドイツも特許訴訟が多く、年間千件程度ある。ヨーロッパで訴訟という場合、ドイツがいろいろな面で整っており、使い勝手が良いため、ドイツで提起されることが多い。特許侵害の問題で、他の先進国と比較して日本で裁判所の利用が非常に少ないことは確かである。
 日本が少ないのは訴訟を好まない国民性と知財関係者同士が良くお互いを知っている面もあるのだろうが、一方で、日本の産業競争力強化に資する知財制度となっているのかの検証は必要であろうし、外国から訴訟を起こされた場合の対応力に課題もある。
 さらに、裁判所では特許が無効になる事例が数年前まで非常に多かったし現在も少なくない。これは特許庁と裁判所で特許の判断の指針が違う方向を向いている面が強かったためではないかと思われ、訴訟に踏み切れない側面もあった。
――日本の特許はどう変わっていくのか?PCTが増え、国内出願が減ってきている。景気が回復しても企業のグローバル化により、出願は増えないのでは?
 強い特許、安定した特許が一定の数は日本でも必要であり、日本の競争力維持につながるから、それは必要だ。数よりもしっかりとした強い特許が成立するようになってほしいと思っている。

米国が3月から先願主義に移行・・・>申し訳ありませんが、この続きは本誌でご覧ください。

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