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小泉元首相の狙いは電力市場改革

日本を見る世界の眼 -11月前半-

この時期の海外メディアの関心は、前月に引き続き安倍政権の経済政策であるいわゆる「アベノミクス」の行方に集まり、特に規制改革を巡る攻防においてアベノミクスが岐路に立たされているとの見方が目立つ結果となった。
11月8日付けフィナンシャルタイムズは、11月上旬に日本政府が決定した市販薬のインターネット販売を一部制限する方針をめぐり、楽天の三木谷浩史会長兼社長が政府の産業競争力会議(民間)議員の辞任を表明したことについて言及した。
「競争力向上を目指す構造改革をめぐり、政権内部に深い亀裂があることを露呈した」との表現で、安倍首相が今年夏の参院選での過半数回復を受け連立政権は基盤を強化したものの、規制緩和に反対する特定の利益団体を代表している議員を多く有する自民党と妥協を重ねていることに苛立ちを隠さず、「アベノミクスは困難な局面を迎えつつある」との見方を示した。
アベノミクスは仕上げの段階であり、構造改革こそが長期的に成長率を押し上げることができるとの見解を示し、三木谷氏の辞任表明を機に安倍氏が規制緩和を強力に進めることを強く求めた。
続く11月12日付け同紙では、安倍氏の規制緩和に対するこれまでの姿勢を「労働市場など政治的に最も難しい分野に手を付けず、農業や国内サービスなど改革が最も遅い分野の規制緩和にも明確な意志を示せていない」と厳しく批判している。自民党の支持層に守られてきた最も強力な既得権益層が変われば、日本経済に最も大きな「リターン」をもたらすことにもなり、「さらに大胆な手を打たなくてはならない」と改めて安倍氏の奮起を求めている。
一方、11月7日付けのウォールストリートジャーナルは、小泉元首相がかつて原発を推進していた立場から脱原発という新たな姿勢を取ったことについて、「改革主義者として歩んできた道と完全に一致している」との見方を示し、小泉氏の狙いは電力市場改革にあるとの見方を示した。

小泉氏の主張は一見すると原発再稼働を目指す安倍氏とは対極に位置するとされるが、安倍氏が成長を望むのであれば、中期的には電力が必要になり、しかもその電力は低コストでなければならず、世界的に見ても高い日本の電気料金は政府が非効率的な電力事業者に総括原価方式という料金制度を認めてためであると分析し、電力をより効率的に供給するための電力事業改革は是非とも必要であるとの立場を示した。

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