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アベノミクスの効果は限定的、さらなる構造改革を

今月の海外メディアには、「アベノミクス」が始動後1年を迎えるにあたり、これまでの安倍政権による経済政策を検証しようとする動きが目立ち、日本経済は日銀短観など各種経済指標が示すほど実態がよいものではなく、先行きに不安の兆候も見られる。またアベノミクスの効果はいまだに限定的であり、さらなる構造改革が必要であるとの論調が主流となった。
12月16日に発表された日銀短観において、大手製造業の景況感指数は6年ぶりの高水準に達し、中小企業では業況判断が1991年以来で初めて「良い」が「悪い」を上回ったことを受け、12月17日付けのフィナンシャルタイムズは、「アベノミクスの部分的な成果だが、日銀の金融政策の効果が大きい」との見方を示した。一方、「金融政策では構造的な不均衡の解消は不可能であり、経済成長率の底上げは至難の業」であり、アベノミクスには「真の構造問題」とは無縁であると批判している。
続く12月18日付けの同紙は、安倍政権が国内設備投資の復活を経済再生の起爆剤にしようとしているにもかかわらず、企業の設備投資計画は9月時点よりも下方修正されており、企業は依然として国内よりも海外での設備投資を志向しており、アベノミクスの効果は見られないと報じている。
一方で、12月19日付けニューヨークタイムズも、アベノミクスの効果は不十分であり、これらは解雇規制や女性の労働力参入、生産性向上、正規労働者と非正規労働者の格差などについて、政権の労働市場改革が遅々として進んでいないためであると批判している。
また、来年の日本経済について、12月11日付けブルームバーグは、アベノミクスは安倍首相の自民党への支持を高めるために初期に多くの策を打ち出したが、財政による景気刺激の速いペースは今後3カ月程度で減速し、「来年4月に崖から落ちるだろう」とするエコノミストの見解を引用した。さらに来年4月に予定されている消費税増税も、経済回復軌道を維持しようとする安倍氏にとっては「向かい風」になるとの見方を示した。
12月23日付けウォールストリートジャーナルは、現状が消費税増税前の「駆け込み需要」状態であることを警告している。1997年の前回増税時には経済は不況に転落、銀行危機と相まってデフレ時代に突入することになったと紹介しており、消費税増税がアベノミクスの真の試練になるとの見方を示した。

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