政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


佐脇紀代志

経済産業省商務情報政策局
情報経済課長
佐脇紀代志氏

■講師1
経済産業省商務情報政策局 情報経済課長
佐脇 紀代志氏

佐脇課長からは、まず、ビッグデータには、明確な定義があるわけではないが、多くの場合、単に量が多いだけでなく、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データであり、さらに、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなものを指すと一応、定義された。
しかし、日本の企業の多くは、ビッグデータをはじめとした新規IT技術をあまりよく理解されていないとJEITA&IDCジャパンの「日米企業の相違分析」の調査報告から引用した。
IOT(インターネット・オブ・シングス)の世界では、あらゆる産業分野において、膨大なデータをいかに活用するかが競争上重要となる。ビッグデータ活用の本質は、データ量の多寡を問わず、いかにデータから価値を生み出し、産業の創出や社会課題の解決に繋げるかが鍵。データ利活用は新ビジネスの創出につながるなどデータの持つポテンシャルに世界が注目している。そして、ビッグデータビジネス事例を数例紹介、米レンタルDVD大手、レッドボックス社の地域の売れ筋を揃えた無人レンタル機での活用事例などを紹介した。
経産省としては、製造業、サービス業、農業など多様な産業において、IT・データを媒介に異分野が融合する「IT融合新産業」の創出が見込まれ、平成24年6月より、IT融合フォーラムを設置し、取り組み始めている。
しかしながら、わが国はインターネット等のハード整備は整っているが、規制・制度など事業環境面では、G8や東アジア諸国と比較して、データ利活用の環境が整っておらず、データ利活用が進んでいない。
特に、パーソナルデータに関して、プライバシー意識の高い消費者の増加により、他社と連携によるデータの連携が、個人情報保護法がハードルとなりあまり進んでいない。
また、わが国の規制が不十分として、EUからのデータ移転が困難になり、日本の個人情報保護法が日本人向けにサービス提供する海外事業者には適用されていない状況が説明された。
そのため、フォーラムにそれらの課題を解決するパーソナルデータWGを設置し検討を始めている。現在、消費者と事業者の信頼関係構築手法、基本的な考え方、具体的な手段を取りまとめ中である。そして、政府のIT総合戦略本部でも、データの活用と個人情報及びプライバシーの保護との両立に配慮したデータ利活用ルールの策定をできるだけ早期に進め、監視・監督・苦情・紛争処理機能を有する第三者機関の設置を含む新たな法的措置を視野に入れた制度見直しを策定する、など政策面からの講演が行われた。

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