政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


-日本を見る世界の眼 2月前半-

この時期の海外メディアは、これまで主にアベノミクスを支えてきた株価が今年に入って下がりつつある現状を捉えて、市場における懸念材料が矢継ぎ早に吹き出し、アベノミクスの先行きが容易ならざるものであることが浮き彫りになる結果となった。
2月4日付けのウォールストリートジャーナルは、今年に入り株価が10%下落したことについて、米国株の下落やアジア地域の旧正月に伴う取引減少などに加え、投資家が安倍首相の政策を批判的に捉え始めていることを理由に挙げており、アベノミクス効果が「永遠にしぼむ」可能性があるとしたが、こうした事態に備えておく必要性を強調している。
そもそもアベノミクスは、主に輸出増加と株高、企業利益の拡大に支えられているものであるが、輸出数量そのものは減少しており、企業利益の拡大は賃金上昇に結びついておらず、今後もそうならない可能性があると不安を示している。また、直近の円の上昇で円安効果が続かず、4月の消費税率引き上げも企業利益に影響を与えるのではないかと懸念を示している。
これらの懸念に安倍氏の政策は「満足に答えていない」として、いわゆる「第3の矢」には今後も期待できないとの見方を示した。その最大の理由は「労働市場自由化など主要課題が見落とされている」ことにあり、安倍氏には一層の指導力の発揮を求めた。
また、2月13日付けのフィナンシャルタイムズは、安倍氏の先月下旬のダボス会議における「女性労働力の活用は経済にプラスに働く」との主張について、「楽観的になれない」と悲観的な見方を示している。その理由として、日本で働く女性の約55%は非正規雇用で、平均収入はフルタイムで働く男性の半分程度である現実が厳然として存在することを挙げている。
これに対し、真に女性労働力を活用したいのであれば、「革命的な変革」が必要であり、「企業文化や社会的態度が変わらなければならず、政策によって実現しなければならない」と主張している。具体的には、「女性が家事から仕事まですべてをこなす」ためには、職場での昇進の機会や育児の環境など「すべてを手に入れる」ことが必要であり、フレックスタイムを導入するなど、多くの働く母親たちを管理職に受け入れる必要があるとした。
デジタルと情報が主導する開かれた世界において日本が経済競争力を高めるには、女性の技能の活用が一段と重要だが、安倍氏にはそのような「革命的な変革」を起こすことは疑わしく、安倍氏の伝統主義的社会観がそれを示しており、「男女同権主義者」を思わせる発言は空虚な言葉であると結んでいる。

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