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WJ紙「構造改革推進促す」
消費税は毎年1%上げて20%に

-日本を見る世界の眼 11月前半-

この時期の海外論調は、日本銀行が10月31日に実施した追加金融緩和に注目が集まり、これに対し一定の評価をしながらも、アベノミクス第3の矢である構造改革の推進を求める論調が主流となった。
11月3日付けのウォールストリートジャーナルは、日本が直面している「救いがたい国家財政」、「改革が進まない労働市場、甘やかされた国内産業、高齢化する人口」というデフレの罠から断ち切るために、日銀が「これまでの緩和政策にもかかわらず依然として低迷している経済を救う必要がある」と追加緩和に踏み切ったことについて「果敢な取組」であると一定の理解を示した。
しかしながら、今回の緩和は昨年実施した最初の緩和とは性格が異なり、安倍首相が約束した3本目の矢である構造改革の遂行を回避するための支えになる可能性があるとの懸念を覗かせた。
実際に今回の緩和は投資家を喜ばせただけであり、安倍首相と黒田総裁の金融政策が尽きるのも時間の問題であると見方を示しつつ、今後は「勢いを失っている」安倍氏の経済政策の中でも最も進捗がない、自由貿易、雇用労働市場改革、移民受入れ等の構造改革の実現に向けて安倍氏は一層のリーダーシップを発揮すべきと主張している。
11月8日付けの英エコノミスト誌は、今回の追加緩和について、「日本経済をデフレから脱却させるために追加金融緩和策という大胆な行動を取った」として黒田総裁を賞賛している。背景には、ほとんど進捗が見られない構造改革やエネルギー価格の下落で円安の悪影響が相殺されていることにあると分析している。
中でも構造改革については、「政治的に困難な構造改革と財政健全化を疎かにしている」と安倍氏を批判し、現在存在する最も大きな懸案事項は構造改革には手をつけず金融緩和策に頼っていることにある、との見方を示している。
しかしながら、構造改革だけでは日本経済への信頼は取り戻すことができず、日本政府は財政の持続性を維持するためには増税が必要であり、将来的には20%にすべきであるとの見方を示した。しかしながら、日本では今でも民間消費は脆弱であり、「即座に増税に耐えられる状態ではない」との判断を示し、安倍氏がまずやるべきことは、増税には慎重になることであるとした。
例えば12年間をかけて、税率を毎年1ポイントずつ引き上げる計画を示し、増税を開始するタイミングは日本経済がその負担に耐えられるようになってからに設定すべきであり、そのタイミングは来年ではない、と結論づけている。

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