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やはり増税より構造改革が必要

-日本を見る世界の眼 11月後半-

この時期の海外論調は、安倍首相が11月18日に、来年10月の消費税の再引き上げの先送り及び衆院の解散・総選挙の実施を表明したことを捉え、安倍氏の経済政策であるアベノミクスのゆくえに注目が集まる結果となった。

11月18日付けウォールストリートジャーナル及び同日付けフィナンシャルタイムズは、本年第3四半期の国内総生産(GDP)が2期連続でマイナスに転じたことを捉え、共に「日本は景気後退局面に入った」との見方を示している。中でもフィナンシャルタイムズは、アベノミクスそのものについては、第1の矢である財政支出の拡大、第2の矢である金融緩和策に比べ、第3である構造改革の進捗は「どうみても鈍い」と苛立ちを示している。
その一方で、デフレマインドが回復する兆しや賃金上昇もわずかながらにでも見られ、アベノミクスが失敗だったと決めつけるのはまだ早計と主張している。また、消費税再引き上げについては、「日本経済がまだ十分に耐えられない」との見方を示し、再引き上げ延期を決断した安倍氏に一定の評価を与えている。安倍氏にとって最も重要なことは、増税よりも構造改革であり、これこそが日本経済の持続的な成長を実現するただ一つの手段であるアベノミクスをいま投げ出すべきではない、と安倍氏に一層の奮起を促している。
11月22日付け英エコノミストも同様に日本は「景気後退局面に入った」との見方を示し、アベノミクスについて、金融政策はインフレ率を若干押し上げたことを捉えその効果に一定の評価を与えている。一方、財政政策については、4月に消費税を引き上げたことは間違いであり、経済に大打撃を与えたと厳しく批判し、景気が低迷しているときには、財政再建を景気回復より優先させることは、破滅的な結果を招く恐れがあるため、再引き上げを先送りしたことは当然との見方を示している。
しかしながら、安倍氏が総選挙後再選されても、財政政策及び金融政策への依存が続くことが予想され、アベノミクスは「パンチ力を失うかもしれない」と予測しており、第3である構造改革こそが日本の長期的な成長率を引き上げることになる安倍氏は構造改革を実行に移すために自身の「政治的資本」を費やすことで旧来のやり方を覆し、覚悟を示すべきであるとした。

 

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