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アベ構改、もう後戻りできない

-日本を見る世界の眼 12月前半-

この時期の海外論調は、消費税の再引き上げが延期されたことを受け、日本の財政への影響や、衆議院の解散・総選挙後の安倍首相の経済政策であるアベノミクスの行方に注目が集まる結果となった。

12月2日付けのウォールストリートジャーナルは、消費税再引上げの延期決定に伴い、ムーディーズが日本国債の格付けを引き下げたことについて、「財政の健全化及び持続可能性にリスクをもたらすインフレと経済成長を目指す安倍首相が直面する課題が浮き彫りになった」として、日本政府の成長戦略の実現性に関する不確実性が高まったとの見方を示した。
また、同日付けのフィナンシャルタイムズは、ムーディーズによる日本国債の格下げが市場で混乱をもたらすことはないとの見方を示しながらも、今回の格下げは安倍政権にとって債務削減に向けたプレッシャーとなり、日本政府は財政再建を目指す中で今後、増税が延期となったことで借入れコストを抑制するため、これまで以上に日銀の国債購入に頼ることになるだろうと予測している。
一方、12月6日付けの英エコノミスト誌は、解散総選挙で勝利が予想されている中で安倍氏は、今後、構造改革でこれ以上後戻りする口実がなくなり、労働市場、医療改革、電力市場改革、農協改革などで進展が見られるだろうとの期待を示し、中でも、農協改革と電力市場改革が試金石になるとの見方を示している。総選挙の勝利によって安倍氏は自身の政権にこれらの問題に対処する強さが与えられるはずであるが、安倍氏は自らの使命を全うし、変革にすべてを懸けるべきであると一層の奮起を促している。
12月10日付けのフィナンシャルタイムズは、安倍氏にとっては選挙での勝利により、これまでのところ実現できていない構造改革の「第3の矢」を含め、自身の経済政策を自由に追求できるようになると期待する一方、アベノミクスが失敗すれば、責める相手は自分しかいない、ということを自覚すべきと安倍氏に対しこれまで以上にリーダーシップの発
揮を求めている。

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