政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


年頭所感

近畿経済産業局長 関 総一郎

平成27年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年は、円安の進行、消費増税とその後の消費の反動減、雇用情勢の改善と人手不足、原油価格の低下など、企業経営を取り巻く環境は目まぐるしく動き、難しい対応が迫られた1年となりました。今年は、個人消費の回復、設備投資の拡大、外需の取り込みなどを通じて新たな成長ステージに移行できるかどうかが問われる正念場です。
関西のおかれる状況を見ますと、工業生産は、ここ3年ほど一貫して全国平均を上回る推移を見せています。関西の製造業は、特定の産業に依存するのではなく、バランスのとれた構造で、優れた技術を誇る企業が厚く集積し、強い総合力を持っています。また、街では、再開発プロジェクトの完成やテーマパークの拡大、海外観光客の増加など、観光・物販に明るい材料も見られます。課題は、これらの強み、明るい材料がまだら模様となっていることです。
近畿経済産業局としましては、中小企業の置かれた厳しい環境や地方都市が直面するさまざまな課題に丁寧に目配りをし、きめ細かく対応するとともに、明日の関西をけん引する産業の育成に全力を挙げてまいります。
以下に当局が今年重視するキーワードと4つの重要分野に触れさせていただきます。
まず、今年のキーワードはネットワーク力の再生・強化です。
関西では、地域・業種・規模を超えた企業間のネットワークが優れた製品を生み出す豊かな土壌を形作っています。一方で課題もあります。近年の生産体制のグローバルな再編が進行する中で、これまで緊密だった川上企業と川下企業の関係に変化がみられる部分があります。また、優れた技術を持ちながらも廃業に迫られる企業も少なくありません。
関西が新たな輝きを増すためには、企業相互のネットワーク力を、新たな環境の中でもう一度構築しなおす努力を意識的に強める必要がありましょう。当局では企業ネットワークを構築・強化する取組への支援を充実させます。
次に重要分野ですが、一つ目はライフサイエンスです。関西は世界最先端の研究機関と関連産業が集積し、国家戦略特区でも数多くの提案を行っています。当局としては、この地域の強みを活かし、橋渡し研究の支援、医工連携の充実に一層力を入れてまいります。特に、異分野から医療機器市場に参入されようとする企業に対して、製品企画、開発、規制への対応などの一連のステージを貫くサポートを行います。
二つ目はインバウンドの強化です。関西は世界にアピールできる魅力の宝庫です。それを活かすためには、関西を外国人にとって、さらに暮らしやすく、動きやすく、学びやすく、楽しみやすいエリアとすることが必要です。観光、対内直投、留学生などの各テーマを横串でさして、「外国人本位の視点」で関西の課題を見つめなおす必要がありましょう。当局では、様々な外国人・外国企業の声を集め、皆様に提供し、2020年に向けたアクションを幅広い関係者と一緒に考えてまいります。
三つ目はエネルギーです。昨夏、電力需給逼迫が懸念されましたが、皆様のご協力により何とか乗り切ることができました。他方、関西には電気・電子製品等のエネルギーに関連する企業が数多く存在しています。関西でより多くの中小企業やベンチャー企業と大学や川下企業が連携し、スマートエネルギー分野のイノベーションが活発化するよう取り組みます。
四つ目はサービス産業の強化です。地域の暮らしと雇用に果たすサービス企業の役割には誠に大きいものがありますが、他方で、この分野の高付加価値化やイノベーションにはまだまだ光が当てられていません。政府は「日本サービス大賞」を設けるなどの新たな政策を予定しています。当局としても、地域の輝きを増すサービス企業の支援を強化します。
今年も当局は、職員挙げて皆様の生の声をできるだけたくさん伺うよう努めてまいります。本年も当局の施策に目を配っていただき、最大限にご活用いただきますよう、改めてお願い申し上げます。結びに、本年の皆様方の御発展と御健勝を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

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