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左ハンドル車が日本を救う

左ハンドル車が日本を救う

第15回
『左ハンドル国産車が日本を救う』
~日本経済V字再生のための国富戦略シミュレーションと提言
小森 正智、小森 正隆 著/プレジデント社 刊/1,500円(税別)

「左側通行は右ハンドル」という前提を疑うことでポジティブな未来を見る

途上国などで日本産の中古車が大量に走っているという話をよく耳にする。それらの中古車は、車が右側通行の国では「左ハンドル」になっている。明らかに輸出用に作られた左ハンドル車ではない。現地で改造されているのだ。
その改造左ハンドル車では、現地の技術ゆえか、トラブルが絶えないという。そしてトラブルが多いことの不満は、残念なことに「日本車である」ことに向けられる。つまり、改造車のせいで日本車そのものの評価ががた落ちになる。
では改造させなければいい。どうするか。そう、国産の左ハンドル車を国内で流通させればいいのだ。
海外の改造車をめぐるトラブル回避は、本書で描かれている「左ハンドル国産車」がもたらすポジティブな未来の一例だ。現在国内では、国産メーカーによる左ハンドルの新車の販売は許可されていない。この規制さえ緩和されれば、人気の高い国産車を、海外の中古車市場にそのまま投入することができる。国内では下取り価格が上がり、買い換え需要が喚起される。
「左側通行で左ハンドルは危険」というのは100年以上前の道路状況を前提とした考えで事実ではないと著者は指摘する。前提条件は時代とともにアップデートしていかなくてはなるまい。古びた前提条件の検証を怠ったせいで経済成長や国際貢献のチャンスを逃したり、日本の評価を理不尽に落としたりすることはあってはならないだろう。
問題の打開策がなかなか見えないときには、前提条件まで戻ってみるといい。そしてそれを変えるとどうなるかをシミュレーションする。こうした思考プロセスを習慣づけることで、イノベーティブな発想力が生まれるはずだ。
(情報工場・編集部)

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