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日本、再びデフレに戻る?

原発代替に石炭火力シフトへ

-日本を見る世界の眼 3月-

この時期の海外メディアは、3月上旬に発表された2014年10-12月期の国内総生産(GDP)の改定値により2014年1年間を通じた実質成長率がマイナスに転じたことを捉え、アベノミクスの効果やそのゆくえ、また、福島第一原発事故から4年となることから、日本のエネルギー問題に注目が集まる結果となった。
3月12日付けフィナンシャルタイムスは、2014年の実質成長率が0.03%減に改定されたことについて、日本が20年間のデフレを払拭するために必要だとする「脱出速度」では決してなく、「インフレのないアベノミクスは亡霊がいないハムレットのようなもの」と落胆の意を表し、石油価格が急激な反騰を演じない限り、日本は間もなくデフレに逆戻りする可能性があるとの見方を示した。
現在の低インフレ状況の多くは政策の失敗に起因するものであり、消費者の財布の口を塞いでしまう結果となった昨年4月の消費増税を批判している。また、この弱いインフレは日銀に対し、「さらなる量的緩和を行うよう迫るものである」と昨年10月の予想外の「第2次砲撃」に続く「第3次砲撃」の可能性を示唆している。
もはやアベノミクスには構造改革が必要であり、「第3の矢」がいまだに放たれない現状にいらだちを隠さず、「第3の矢」の出現に期待を寄せている。
一方、3月13日付けウォールストリートジャーナルは、前日に明らかになった発電プラントの新設計画において、石炭火力プラントが7基に上ったことについて、日本が稼働停止となっている原発の代替として、石炭火力を推進しようとしている証左であるとした。海外では温室効果ガス削減の観点から石炭火力比率を低下させる傾向にある一方で、日本では石炭は他の発電用燃料と比べ、比較的安価なことから、電力各社は石炭火力にシフトせざるを得ない現状があるとしている。
その他にも、中部電力が老朽化した石油火力設備を石炭火力へ転換させる動きや、大阪ガス、電源開発、宇部興産が山口県での石炭火力建設の動き、さらに、東京電力がリプレースを予定している老朽化した石油火力設備を石炭火力に転換させる動きがそれぞれ見られると報じている。
これら各社の石炭火力へのシフトの背景には、電力自由化による競争原理導入と石炭火力に対する制限緩和もこれを後押ししているとの見方を示している。これらの動きに対して、政府側も福島原発事故以前は野心的な温室効果ガス削減を視野に、実質的に石炭火の新設をブロックしてきたが、震災以降、政策を転換、現時点で最高水準の技術導入を条件として、新設を認めている。おり、この傾向は当分続くとの見方を示した。

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