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東芝の不適切会計は粉飾?
日本経済の構造問題

-日本を見る世界の眼 7月-

この時期の海外論調は、東芝による12億ドルに上る不適切会計問題により歴代社長ら経営幹部が辞任に追い込まれた件に注目が集まり、東芝だけの問題でなく、日本の企業統治(コーポレートガバナンス)の問題として捉えていることが浮き彫りとなった。
7月22日付けブルームバーグは、資本市場で多額の資金を集め世界で幅広く事業展開する東芝が不適切会計問題について「金融当局や国内外の投資家から審判を受けるのはこれからだ」として、今後、刑事責任、民事責任、行政処分等すべてに該当する可能性があり、有価証券届出書や報告書虚偽記載など金融商品取引法違反となる可能性が高く、「誰が見ても粉飾決算の疑いが問題になっている」との見方を示した。
一方、同日付け英ガーディアンは、「日本企業はかつて官民が一体となり、素晴らしい結果を残していた1980年代の「思い出」をいまだ振り払うことができていない」と指摘し、当時から会計操作は会社及び国の利益の増進という名の下で許されていたとし、不適切会計問題は日本経済の構造上の問題であるとの見方を示した
7月23日付けフィナンシャルタイムズは、「日本有数の企業グループにして企業統治改革の旗手と見なされていた東芝の大失態は深刻」との見方を示し、2011年に発覚したオリンパスの17億ドルの損失隠しとともに、会計操作に傾きがちな日本企業の姿を暗に批判している。しかしながら、海外投資家は日本を見切って引き揚げるべきではなく、「むしろいい機会」であり、日本は「不完全な市場」としながらも、企業行動の浄化へ向かう歩みは遅々としていながらも進んでいるとの評価を示した。
また、日本企業の特徴として「欧米企業と違い、トップが前任者のための隠蔽をして損失が世代を越えていくことにある」と、前任者の間違いを公然と切ることはせず、その重荷を受け継いでいることが特徴的であるとした。
一方で安倍政権が促している企業統治改革の一環として、6月導入された企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が経団連などの守旧派の懐疑論の前に曖昧なものとなり、実践より理論上の導入に留まっていることもこのような不祥事の温床になっており、日本は今後さらに厳しく臨む必要性を訴えている。

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