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画期的、経産・総務両省が連携
すでに900社参加 あらゆる業界を横につなぐ

 経済産業省と総務省が連携し、10月30日、民間組織であるIoT推進コンソーシアムの設立総会が東京・有楽町の帝国ホテルで開かれ、初代会長に慶応義塾大学環境情報学部長の村井純氏が就いた。

このコンソーシアムは、近年のIoT、ビッグデータ、人工知能(AI)などの技術革新により、従来の産業・社会構造が大きく変革する可能性が出てきた。IoTの推進により、実世界から得られたデータを分析・解析し、実世界にフィードバックする「データ駆動型社会(CPS)」が現実的になってきた。
このため、データを核としたビジネスモデルにより、既存のビジネスが急速に陳腐化する懸念が出てきた。この危機感に、村井氏と日立製作所の中西宏明取締役会長兼CEOとNTTの鵜浦博夫代表取締役社長が呼応、この動きに経産省、総務省が協力するスキームが作られたようだ。
「政府の成長戦略から、IoTに関するさまざまな協議会が立ち上がってきた。これらを1つの傘の元に集結したのがこのコンソーシアムです」(経産省商務情報政策局情報経済課・津脇慈子課長補佐)。
総務省には、IoTに関する技術開発や標準化を行うスマートIoT推進フォーラムがあった。また経産省は平成28年度より、IoTの事業化を産官学で行うIoT推進ラボ事業を行う予定でいた。今回、この2つの流れをコンソーシアムの傘の中に入れ、それぞれ技術開発WGと先進的モデル事業推進WGとして取り込んだ。そして、セキュリティやプライバシー問題を扱う専門WGを採り入れたIoT推進体制が、経産省と総務省が連携する形で実現された。
両省が連携することは画期的なことで、奇しくもITの技術革新の猛烈なスピードに両省の垣根が取り払われた期待感から「11月1日現在で、このコンソーシアムには900社に及ぶ企業・団体が参加してきている」(同氏)。
米国やドイツではインダストリアル4.0などのIoT技術による産業・社会の変革を見越した具体的なプロジェクトが進行中である。一方、日本の産業界は技術の自前主義に固執する傾向が強く、他社と連携したエコシステムの構築・参画がうまくできておらず、コア技術、人材不足も否めず、このままではIoTの競争から脱落する恐れもある。
同コンソーシアムは、産官学連携の下、①IoTの技術開発や実証、標準化、②IoTに関する各種プロジェクトの創出や規制改革の提言、などを行い、年明け早々にもIoT事業を行うための場作りがスタートする予定だ。
「IoTは製造、医療、エネルギー、農業、教育などさまざま領域に恩恵をもたらす。我々はIoTの技術を企業や業種を超えて横に連携していく」と語っている村井氏の求心力に期待したい。

IoT推進コンソーシアム

IoT推進コンソーシアム

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