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「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方

第37回
『「ない仕事」の作り方』

みうらじゅん 著/文藝春秋 刊/1250円(税別)

これまで世の中になかったものを広める
「自分なくし」の方法論を明らかに

「みうらじゅん」というと、テレビの深夜番組などでたまに見かける長髪・サングラスの何やら怪しげな人物といった印象しかない人が多いかもしれない。もしくは、くまモン、ふなっしーなどの人気で広まった「ゆるキャラ」という言葉の名づけ親であることを知る人もいるだろう。
「サブカルの帝王」と呼ばれることも多い彼の肩書きは、イラストレーター、漫画家、エッセイスト、ミュージシャンなど数限りない。そんな、人によっては「ふざけている」「世の中なめている」としか思えない存在である「みうらじゅん」が大真面目に書いた「ビジネス書」が本書だ。
著者の仕事の基本は「これまで世の中になかったもの」を見出し、名づけ、広めていくことだという。「ゆるキャラ」にしても、著者が見つけて面白がり、命名して広めるまでは、存在はしていても、ほとんどの人がその前で立ち止まることがなかった。これは「ない」も同然だ。
軽い調子でさらりと書かれているが、自分で「無駄な努力」という「収集」や、雑誌やテレビ局に売り込む情熱は相当なものだ。しかもそれは功名心から「自分」を売り出そうというものではない。本人は「自分なくし」と呼んでいるが、客観的に対象物の魅力を引き出し、それが思いもよらず広まっていくことを楽しんでいるのだろう。
あえて「第一印象の悪いもの」に目をつけるのも、それがマイナスのものであれ強い感情を引き起こすから。そして「嫌なもの」を「面白いもの」に変換させる。そんな著者のセンスは、固くなった頭をほぐしてくれることだろう。
(情報工場編集部)

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