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日本市場は開かれているのか?
-日本を見る世界の眼 1月後半-

この時期の海外論調は、経営危機が再燃しているシャープについて、2月初旬の経営再建プランの最終決定が近づく中、関係者による様々なプランが明らかになったことを契機に、対日投資の観点から市場の開放性及びコーポレートガバナンスなど日本の投資環境に絡めた論評が目立つ結果となった。
1月21日付けウォールストリートジャーナルは、シャープの経営再建案として、台湾の電子機器受託製造大手の鴻海(ホンハイ)精密工業による約6250億円規模の買収案と日本の産業革新機構による3000億円規模のシャープへの出資の両案を紹介している。
鴻海精密工業による買収案については、鴻海が結果的にシャープの技術者を海外工場に配置転換させ、それによって「他の国が日本の研究の恩恵を受ける事態になる」ことになり、日本の最先端のディスプレー技術がコモディティー化する可能性があるため、技術の流出を防ぐ意味でシャープの救済には理があるとの見方を示した。
反面、産業革新機構による出資について、同機構は官民ファンドであるものの、基金の大部分は国の負担であり、事実上の国によるシャープ救済策であると論じている。背景には、日本の当局者の間にディスプレーパネル技術を有するシャープを外資の管理下に置くことに懸念が残っていることが背景にあり、ここにかつての「日本株式会社」の残影があり、日本の保護主義が垣間見えるとの見方を示している。
こうした日本側による動きに対し、1月26日付けフィナンシャルタイムズも同様に、産業革新機構による支援案を「政府による保護主義的な救済策」であり、投資環境としての適切さに疑いが生じるとの見方を示している。安倍首相が対日投資を呼びかける各種メッセージを発しているにもかかわらず、日本にはこのような二面性があることへの不満を海外の投資ファンドは感じている。
シャープが生き残れるか否かよりも、日本市場は本当に海外企業に開かれているのか、コーポレートガバナンスに関する日本の取り組みは本物なのかが今後問題になるだろうと論じている。その結果、アベノミクスは日本株式会社を変化させるようなことをほとんどしてこなかったと海外投資家が結論付けた場合、海外投資家は資金を引き上げることになり、そのこと自体が日本にとって危険なことになるだろうと警鐘を発している。

 

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