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「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?

「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?

第39回
『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』
中島 恵 著/プレジデント社 刊/1,500円(税別)

中国人観光客たちのニーズの多様化は相互理解を深めるためのチャンス

「2015ユーキャン新語・流行語大賞」にも選ばれた「爆買い」。主に経済成長によって豊かになった中国人が観光で日本にやってきて、土産など一度に一人数十万円もの買い物をする現象を指す言葉だ。
本書では、全国各地の観光関係者、来日する中国人、中国国内に住む人々などを取材し、実際に「爆買い」の現場で何が起こっているのかをリポート。そしてそれをもとに、なぜ「爆買い」現象が起こったのか、中国人の意識や価値観の変化、この現象が今後どのように変化していくかなどを考察している。
日本の企業やビジネスパーソンは、今後も「爆買い」は続くのか否かに関心があることだろう。著者は「続く」と予想している。バブル崩壊後の日本人がそうであったように、もう生活レベルを元に戻すことはできないからだ。
ただ、「爆買い」の中身は変わっていく。「爆買い」をする団体旅行客はそのまま残るが、その上に“洗練された”個人旅行客の層が重なる。さらに個人旅行客の中にも幅があり、ステータスを求める層もあれば、評判が高い店ならばと形式にこだわらない層もある。中国人たちの日本観光のニーズが多様化するということだ。
日本側としては、「爆買い」への戸惑いからは早々に脱却すべきだ。多様化するニーズを「相互理解のためのチャネル」が増えると認識して戦略的に対応していった方がいいだろう。上辺だけでない本質的な日本の魅力をアピールする方法を観光関係の各企業が工夫するだけでなく、学術的にも研究していくべきではないだろうか。

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